案件名 2000/06/06 配信
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退職金、いただけます
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患者名 PAN 担当医 BlackLotus 先生 Yellow 先生 busuko 先生
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●患者問診より●
会員のPANです。
いつも有益な情報ありがとうございます。特に法律的な事はいつも新鮮
で、勉強になります。そこで今回みなさんの知恵をお借りしたくてメー
ル致しました。
この度私は会社を退社する事になりました。しかも、自分で起した会社
を・・・。私はこの会社を起業し7年前まで社長をしておりましたが、
訳あって社長職を退きました。その時に、会社も退職という形にして退
職金4000万を支払ってくれるという契約で・・・。
でもその後も私がいないと会社の運営が上手くいかないとの理由で、今
まで社員として働いておりました。しかしもうこの会社にいるのがつら
くなり退職を決意した次第であります。
そしてご相談したい事とは、社長職を退いた時の退職金の事なのです。
その当時会社には金がなく支払えなかったので、私個人から会社に貸し
付けという形にしました。税務署に提出した帳簿にも私の個人名で会社
に貸し付けという事で記載しました。その記録は残っています。しかし
その時に相手が身内だった事もあり、契約書を交わさなかったのです。
それを今回退職するにあたり会社側に請求したいのですが・・・。
会社側にシラを切られたらそれまでなのでしょうか。なんとかこの退職
金を会社に支払わせたいのです。
何かいい方法がありましたら教えてください。
どうぞよろしくお願い致します。
●担当医所見● BlackLotus 先生
そもそも、今の会社は支払いを拒んでいるのですか。
まずは交渉から始めましょう。
で、以下の内容は補足程度に覚えておいても良いかもしれません。
基本的に契約は口約束であっても契約とみなされます。
契約書が無い場合は何故問題になるのかと言うと
「その契約が本当に存在するのか」を「立証」するために必要です。
覚書、念書、等も約束の内容を立証するのに十分な証拠能力があります
ので、名前こそ違え、契約書と同等と考えられます。
今回のケースでは会社が貸付を受けた形になっており、帳簿上の処理も
そうなっているとの事なので、立証は可能と思われます。
ですが以下の点にお気をつけ下さい。
1.給与規定、社則等の中の規約等の給与に関する条項
金額が妥当であるか。という点です。規定が明確に定められておりそ
の金額を上回る金額である場合には商法上問題が発生する可能性があ
ります。
2.個人の申告について。
金額が金額ですし、貸付金が返ってきたのと、退職金をもらうのとで
は当然税務上の取り扱いが違います。会社が約束した段階であなたが
退職の所得を申告していない場合は脱税になってしまいます。
3.会社が秘密で貸付金を返済する処理を行った場合。
偽造の領収書や架空名義の口座等を用いて、債務が会社に無い形を作
ってしまっていれば、当然あなたの請求権はない(というか形上は返
済されていることになってしまっている)
ので、そういう事実が無いかどうか。
(ある場合は別の問題も出てきますので)
いくつか思い付きを書いてみました。他にも落とし穴があるかもしれま
せん。「自分の金」という意識をお持ちでしたら、それ相応の労力を払
って慎重に、確実に回収しましょう。
●担当医所見● Yellow 先生
契約ですかぁ。契約書なんてないんでしょうねえ。
退職という形・・・・というのは何をどう手続きしたのでしょうか。
その後働いていて、退職を決意・・・・矛盾してますねえ。
個人名で貸付金が決算書にのったということですよね。
会計事務所も保存しているでしょうし、税務署も保存しているでしょう
ねえ。契約書が無くても、これなら会社もしらを切れないと思います。
普通に掛け合えば、問題なく支払ってもらえるのではないでしょうか。
会社側もそこまで証拠があるのに払わないわけにはいかないでしょう。
もっとも4000万円が適正化どうかは問題が残りますけど。
それにこういう多額の場合は取締役会議事録とか揃ってないとあとで問
題になるでしょうし、それにそもそも退職金を支払ったように会計上処
理されているのでしょうか。それから社長様は退職金を受け取ったとい
うことであれば、税金払いました。
一時所得の税金は高いですよ。いずれにせよ、不明瞭な点が多くて、な
かなか表に出せないということですね。
表に出すとどっちの損害が大きいのかを判断してから頑張ってみて下さ
い。表に出して会社側が4000万円払えなくて倒産すれば、あなたは仮に
退職金を受け取った時の所得税を追徴される可能性もあります。
そうすると会社は倒産、あなたにお金が入ってこなくて、税金の支払が
発生するなんてこともあったりして・・・(時効も入ってくるので、や
っぱり情報不足で正確な回答は難しいようですね。)
●担当医所見● busuko 先生
はっきり申し上げます。上の文章では内容がはっきりわかりませんので
回答しにくいのですが、要は身内的な内紛があったということなのでし
ょうか。身内話になると解決は困難ですよ。
あなたが親戚衆から後ろ指を指され、金輪際親戚つきあいをしないとい
うならば解決できるでしょうが・・・それが嫌ならばもう少し詳しい内
容が欲しいです。
●つっこみ● iceman 先生
担当医の皆様もおっしゃっている通り、適切なアドバイスをする為には
情報が少なすぎますので状況を推測して下記の通りまとめてみました。
1.この「会社」とは株式会社である。
2.「私」は代表取締役であったが辞職・退社し、改めて従業員として再
雇用された。
3.その際、退職金として4000万円が支給されたが、その4000万円がその
まま会社へ貸し付けられたという形で帳簿上処理され、実際には現金
の動きはなかった。
以上のような状況であると仮定した上で話を進めてみたいと思います。
担当医の皆様がおっしゃっているように、帳簿や税務署への申告書にも
載っているのですから、契約書がなくても権利は主張出来ますし、裁判
所へ訴えれば恐らく負けることはないでしょう。今は金が絡んで親子で
も殺し合う時代ですから、相手が身内でも遠慮することはありません。
しかし、退職金の額が4000万円であることで問題が生ずる可能性がある
と思います。
取締役、つまり役員が会社から月々受け取るお金は給与ではなく、報酬
です。基本的に従業員はその労働に対する対価が与えられ(だから「給
与」なんですね)、役員は会社経営に対して責任を負い、その結果に対
して「報酬」が与えられるのです。
と言うことで役員報酬の額は会社の業績次第ということになるので、従
業員の給与規程はあっても役員報酬規程なるものは存在しないのです
(現実には役員報酬も給与化してますが)。これと同じで、退職金につ
いても従業員の退職金規程はあっても役員の退職金規程はないのです。
役員の退職金についてはその時の会社の業績及び本人の会社に対する貢
献度から判断して取締役会の議決を経て決定され、株主総会で最終的に
承認されるものなのです。
このケースで争いになった場合、会社側としては「金を借りた」という
事実をひっくり返すことは無理でしょうから、
「退職金の額は妥当であったか」、「手続きは適正であったか」
といった点を争点として来るでしょう。
つまり、退職金の額が決定された時点での会社の業績から見て、この
4000万円という額は高すぎると判断され、尚且つ取締役会の議事録など
退職金の額が決定された経緯が明示された公式の文書がなければ、会社
との貸借の事実の有無以前に4000万円という退職金の額そのものが無効
であるとして足元を掬われる可能性は残るでしょう。
以上の点に気を付けて、強気で交渉してみては如何でしょうか。
でも、たとえ創業社長であっても退職金が4000万円だなんて、この会社
の営業年数と規模がどの程度で、いくら儲かっているのか知りたいです
ね。
尚、退職金4000万円は十二分に課税対象になる金額と思われますが、当
時会社が上手に処理して税金が掛からない状態になっていたのであれば
裁判を起こすことによりヤブヘビになるのではないかと心配かもしれま
せん。しかし、心配はご無用。裁判所から税務署へ連絡が行く事はまず
ありません。日本の縦割り社会特有の横の連絡の悪さが逆に好都合とな
るのです。会社側が腹いせに税務署へチクる可能性も出て来ますが、そ
んなことしたら課税対象分については贈与と見なされ損金繰り入れが出
来なくなり、会社側としても修正申告して下手すると税金を納めなけれ
ばならない事もありうるのでまともならそんなことはしないでしょう。
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