案件名 2003/07/17 配信
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大学生を雇用して
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患者名 yama 担当医 えてんずあみど 先生 Ken 先生
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●患者問診より●
いつも雑学をありがとうございます。会員のyamaです。
当方の職場での相談です。
私、そこの雇われ管理職をしており、大学生やフリーターなどを管理し
ております。雇用形態は有期雇用契約として、契約書も交わしておりま
す。(双方1通ずつ、本人サインと印鑑。ただし割り印はしてません)
実はバイトの大学生が、8月一杯でどうしてもやめたいと言ってきたので
す。じっくりと話し合ったのですが、向こうはやめる、こちらは困るの
平行線。やめる理由ですが「本人のわがまま」です。それは本人も認め
ているところです。
私としては、立場上、非常に有能なスタッフをおいそれと失うわけにも
いかず、とりあえず最後の手段として「やめる意思が固いのは分かるが
契約を途中で破棄するのだからそれに伴う損害を支払うことになっても
それでもやめるというのですか」と聞きました。
私にとって最後の一線の質問でした。(この時点で実際に賠償請求する
つもりはなかったです)すると相手は「私に払える範囲なら」と答えま
した。まぁ、向こうの方が悪いので、どうしても辞めるとしたらそう言
うより他はないとは思いますが。
そこで私は、「金額は私が決めることではなく、裁判所なりが相応の判
断をするもんです」と言ったら突然態度を硬化させ(びびったんでしょ
う)そういうことなら私もその道の人に相談しますとなりました。
で、10分後くらいに、遠く離れた故郷の親父さんから電話があり、「脅
し」だとか「娘が泣いてる」だとか「大学生のアルバイトに言うべき言
葉ではない」などと、かなりこちらの感情を逆撫でしてきます。
とりあえず、民法上(民法628条・415条)の規定を説明し、また、こち
ら側が契約の際に「時給は、性別、年齢を問わず純粋に能力で判断、従
って大学生であってもプロとして扱う」と記した文書も渡していること
を説明しました。それでもしつこく、「脅し」だと息巻くので、ほんま
に訴えたろかと思っている次第です。
(とりあえず、今は訴える気はないとは親父さんに言ってます)
親父さんは2ヶ月も前にきちんと迷惑のかからんように言ってるのだから
そこは黙って辞めさせるべきだ、うんぬん・・・。ほんと、ぶちきれそ
うです。
実際に研修として支払った対価は5万円ほど。また研修担当者に支払った
対価は2万円ほど。しかし、求人のためにかけた費用が80万円ほどで、採
用者が4名ですから、20万円ほどは彼女のために使っています。
今後採用をするとして、また、求人代金から、私の労働力、再度の研修
と、かなり大変な労力と金力がかかります。そんなことを分かってない
んでしょう。
そこで、相談なのですが、もし、訴えた場合、いくらくらい取れそうで
すか。それとも、少額訴訟でさくっと行った方がよいでしょうか。たし
か、20万円まででしたっけ。
また電話かけてきて親父がぶちぶち言うようなら、もう我慢ならんので
す。できるなら、親父をこっちまで引きずり出したいのですが、それは
無理ですかね、やっぱり。
以上拙い文章ですいませんが、宜しくお願いします
●担当医所見● えてんずあみど 先生
バイトやフリーターなど気軽な感覚でサクッと仕事を辞めてしまう若者
たち。5%を越える失業率が続く社会で、リストラにおびえながらも、ご
家庭を守るために会社にしがみつく正社員(別に相談者様のことを指し
ているわけではありません)にとっては、あまりにも腹立たしく、そし
てどこかうらやましい存在かもしれません。
さて、期間途中の退職の場合、おっしゃるように期間途中の債務不履行
ですから、損害賠償の余地はあると考えられます。しかし、ご存じだと
は思いますが、現行の労働関係の法規はいずれもかなりの労働者寄り。
その中でどれだけ、会社側の主張が認められるかは難しいところです。
たとえば、研修費用に関しては、留学など特別なケースは別にして、一
般的な新入社員研修費用の返還を求めることは、合理性がないとされて
います。また、求人に関する費用についても、そもそも求人をするかし
ないかということは経営上の問題であり、たとえ急に退職したからとい
って、その費用をすべて労働者が負担すべきいわれはなく、使用者が費
用を負担することは当然と考えられています。
したがって、このような場合、大変腹立たしいとは思いますが、経営上、
十分に起こりうるリスクが実現化したということにすぎず、訴えたとこ
ろで、時間と費用の無駄となりそうです。
むしろ、下手に裁判で辞めるときの会話、とくに、「やめる意思が固い
のは分かるが、契約を途中で破棄するのだからそれに伴う損害を支払う
ことになっても、それでもやめるというのですか」「金額は私が決める
ことではなく、裁判所なりが相応の判断をするもんです」などというく
だりが明るみに出た場合、むしろ強制労働を禁止した労働基準法第5条の
違反の疑いも考えられ(もちろんそのつもりがないことはわかっていま
すが、裁判官がわかってくれるかどうかは未知数です)逆に訴えられた
ときに、非常に苦しい立場に立たされます。
仮に今後、彼女が仕事を続けても「非常に有能なスタッフ」として仕事
を続けられるでしょうか。ここでのトラブルを通して、あなた(会社)
のやり方を他のスタッフはどう感じるでしょうか。スタッフが会社を辞
めたくない、ぜひこの職場でずっと仕事をしていきたい、と思うような
職場の環境(雰囲気)を作ることも管理職の大きな仕事と思うのですが
いかがでしょうか。
●担当医所見● Ken 先生
> 実際に研修として支払った対価は5万円ほど
研修として支払ったお金とは、賃金ではないですか。
賃金であれば、返還請求できません。
> 研修担当者に支払った対価は2万円ほど
研修担当者に支払ったお金は、他の採用者と一緒に受けさせた研修であ
れば、請求するのは難しいと思います。
また、研修が業務命令もしくは強制参加であった場合、研修にかかった
費用を請求できないと思います。
> 20万円ほどは彼女のために使っています
裁判所がどこまで認めてくれるかは分かりませんが、認めたとしてもか
なりの少額ではないでしょうか。
どうしても請求したいのなら、この学生が労働基準監督署に相談して、
会社に指導という事になると面倒なので、「私に払える範囲なら」と言
っている内にもらえるだけもらってヨシとした方が賢明だと思います。
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