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    案件名                                           2005/09/27 配信
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    交通事故で加害者からの謝罪がほしい
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    患者名   ハンドルなし      担当医   ゆか  先生   Kazuna  先生
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    ●患者問診より●

    いつもお世話になっております。
    交通事故処理についての質問です。

    先日、当方、自転車で交差点(信号無し)直進中に、右折車と衝突しま
    した。警察、病院での処理後、人身事故としました。
    診断は、打撲で全治1週間です。相手は、勤務中で車も社用車でした。
    横断歩道上ということもあり、相手損保による過失割合は、10:0で当方
    の物損分なども全額補償となり、自賠責保険で治療面、休業補償など含
    め、金銭的には全て解決できそうです。

    ただ一点、納得がいかないところがあります。謝罪に関してです。
    加害者当人 は、衝突直後から私を罵倒し、名乗らず、私が警察に電話し
    ました。現場検証後は、名刺をもらい、連絡先教え合いましたが、それ
    以降、連絡が全くありません。加害者運転の社用車の持ち主である会社
    からも、一切連絡はありません。

    加害者の賠償手続き代理人である****損保も、淡々と事務手続きするだ
    けで誠意のかけらもありません。
    私としては、以下全員からの謝罪、もしくは謝罪文がほしいのです。

     1.加害者当人 
     2.加害者運転の社用車の持ち主である会社代表
     3.加害者の賠償手続き代理人である****損保

    法的効力が無いということで、泣き寝入りするしかないのでしょうか。
    (加害者を刺激して逆切れされても恐いので、損保からの謝罪文だけで
    もいいと思っています。実際、やりとりは損保会社とだけです。)
    この内容は、損保会社の担当へ伝えてありますが、無視されてしまって
    いるようです。(1か月以上)

    何か、謝罪文をもらえるような方法がありましたら、アドバイスいただ
    ければ幸いです。私もいつ加害者の立場になるのかわからないので、こ
    れまで以上に注意したいと思っています。



    ●担当医所見●     ゆか  先生

    根拠としまして、六法全書のどこを読んでも、「被害者に謝罪しなけれ
    ばいけない」などと書いてないからです。
    謝罪というのは、道徳とか常識の範疇かと思いますが、法律、この場合
    ですと民法になりますが、仮に裁判をやったとしても「加害者は被害者
    に土下座百回することを求める」などという訴訟は起こせません。
    あくまで「金銭に換算して」損害賠償を請求する形になります。(民法
    722条)確か「金銭賠償の原則」と言ったと思います。

    名誉毀損などに関しては、名誉の回復のため、謝罪広告を出す等は認め
    られておりますが(民法723条)、一般的な民事裁判では、あくまで金銭
    に換算するしか無いわけです。

    どうしてこのような法律になっているのかというと、他にも諸説ありま
    すが、主に以下の2点かと思います。

      1.日本の民法はフランスやドイツ、イギリス等の民法を参考に作られ
        たが、その法律には「謝罪」に関する事が無かった。

      2.裁判所において、謝罪をどうするかで裁判をするのは、適切ではな
        い。

    そして、怪我が酷ければ民法710条、いわゆる慰謝料の請求において、謝
    罪が無い事を理由に慰謝料の上乗せは可能かと思いますが、今回の場合
    は1週間程度の怪我という事で、交通事故の慰謝料は治療期間に比例しま
    すので、たいした金額ではありませんし、これにプラスして慰謝料の上
    乗せを請求したとしても微々たる金額かと思います。

    裁判をやったとしましても、相手個人はともかく、相手が任意保険に入
    っていれば、交通事故に関してはプロたる保険会社や弁護士が出てくる
    事になり、こちらが素人では相手になりませんし、余計に腹が立つのが
    オチかと思います。

    交通事故というのは、ほとんどの場合、やられ損です。
    損をしたくなかったら、これもまたセコい手ですが、死んだふりをする
    か、気絶したふりをして救急車で病院に運ばれて、「首が痛い。腰が痛
    い。」と、3ヶ月程度通院して損を埋める(おかしな日本語ですが)しか
    手が無いのが現状です。



    ●担当医所見●     Kazuna  先生

    「謝罪」は、金銭での支払いです。

    当事者としては、こういう形で「解決か」と感じるのは理解できますが
    何事も最終的には相応の額を支払って紛争は終了されます。

    「お金なんかいらないから、反省し謝罪の気持ちを持ってほしい。」と
    言いたい場合もあります。
    しかし、残念な事ですが、相手の気持ちは(勿論、反省の度合いによっ
    て変わる部分も)、あまり関係なく、最終的には金額が付けられて、そ
    れを以って紛争の和解なのです。

    例えば、大切な人が死んだとしても、「生き返らせてほしい。」という
    のが無理なのは仕方ありません。そして、その代償に金額が付けらるの
    と同じ事になりますが、それも大切な人を「金いくら」と言われたも同
    然で、余計に腹が立ちますけれど、結局それしか解決方が無いというの
    が実情です。

    今回の相手に謝罪を求めたところで、あくまで「謝罪文」であって、本
    心からの謝罪とは思えません。相応の金銭的保証しか取れないのです。
    とても残念な事ですが。

    また、当事者とは(会社とですが)契約関係でしかない保険会社に、代
    理で謝罪をされても納得できませんよね。元々、この様な時に金銭的保
    証を当人に代わって支払うのが保険会社な訳ですから。
    謝罪するだけの保険会社というのも困りますが、当人に謝罪の意思が有
    る無しに関係なく、保険契約があっただけでも、予め(この場合、会社
    ですが)準備があっただけでもある意味謝罪です。

    後は、保証を受け取るという形でしか解決は無いと諦めましょう。
    残念ですが、それまでです。その金銭面を上手に引っ張る程度でしか。
    取れるだけ取って納得しましょう。



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