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    案件名                                           2006/10/23 配信
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    個人鑑賞用であってもDVDコピーガードを外すことは犯罪なのか 
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    患者名   ハンドルなし        担当医   Kazuna  先生    ラリ  先生
    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

    ●患者問診より●

    毎日新鮮な情報ありがとうございます。
    今回は、DVDリッピングについて教えていただきたいことがあります。

    私は、TSUT○YAなどで借りてきたDVDを"DVD Shrink"や"DVD Decrypter"
    でコピーしていますが、雑誌などには「コピーしても、個人鑑賞用であ
    れば、複製してもOK」と書いてあります。

    そこで、質問です。

    1.個人鑑賞用であってもコピーガードを外すことは犯罪なのでしょうか。
    2.警察や企業に見つかったら、逮捕されたり損害賠償を請求されたりす
     るのでしょうか。

    コピーしたDVDは、あくまで個人観賞用で友達に売ったり貸したりはして
    いません。よろしくお願いします。



    ●担当医所見●     Kazuna    先生

    現状では、質問文にある「コピーガードを外すこと」で検索しても、意
    見が2つに分かれているようですが。

    個人鑑賞用(生計を共にする家族の範囲と規定)であれば、"複製"は認
    められます。しかし、そこにコピーを防止する技術が施された著作物の
    場合、これを不正に解除する行為が違法とされています。後述の記事で
    は、「必ずしも違法ではない」とされています。

    これら検索結果から、「違法」とする発言を見ると「公の場」(Q&A掲示
    板等)での回答に多く見られ、答えている回答者も実際は方法手順を知
    っていますし、「"どんなソフトかを知っている"="経験者"」とも読み
    取れるワケです。

    公には回答出来ないグレーゾーンの為に、「こうした質問は禁止です。」
    や、単に「できません。」「違法になります。」としか回答出来ないの
    が現実です。
    Q&A掲示板で、アクティブな回答者が、方法手順を教えてしまうと「何で
    も教える」ことが、必ずしも親切ではないとされ、回答自体がタブー視
    される傾向がある為です。

    少し古いのですが、日経クリックのこちらの記事が参考になります。
    http://xtc.bz/article/click2003-10dvd.html

    要するに「著作権法」と「不正競争防止法」のふたつがあり、著作権法
    には“アクセスコントロール技術”が定められており、不正競争防止法
    には”コピーコントロール技術”と呼ぶものに付いて定めています。
    個人の私的利用に付いての判例がなく、法的に見ても曖昧です。(そも
    そも法律が古い)そして、現在もハッキリとした規定がないまま誰も触
    れたがらない問題だったりします。

    2003年10月、文末に「日経クリックは、今後もこの問題について皆さん
    と考えていこうと思う。」と記されているものの、続編が存在しないの
    は何故でしょう。

    要するに売買したり、P2Pに流したり、大きな声で「やってます。」と言
    わない限り、特に違法性に付いて拘らなくても良いと、私は考えます。

    警察や企業に見つかる可能性は、PC用のソフトウェアの一部には情報を
    サーバに送信する物がありますが、個人情報保護の観点から個人を特定
    出来る情報の収集はしない決まりとなっていますので、捕まる可能性は
    無きに等しく、摘発は主に企業などでの不正コピーに対するものがほとん
    どです。

    損害賠償請求ですが、企業など組織ぐるみで不正コピーを使用していた
    場合、個人では販売目的での不正コピーに対しては損害賠償請求が行わ
    れますが、私的利用目的での例は聞きません。

     国会図書館の議事録に面白いコメントがありました
      http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/preservation_03_04.html

    「国立国会図書館が保存のために」を「個人が私的利用のために」と置
    き換えて読んでみましょう。

    【コメント】
    コピーガードの場合、国立国会図書館が保存のためにコピーガードを外
    そうとした場合は、コピーガード解除手段の頒布などは考えてないはず
    で、自分のところでコピーを外すだけの目的になると思う。
    コピーガードを外すこと自体は権利侵害になる可能性はない。
    むしろ、どうやって外すのかということが課題だと思う。
    コピーガーそのものが一般の人から外されないように進歩しており、ど
    ういうコピーガードをかけているかということもある意味で営業秘密に
    なっている場合もある。
    国立国会図書館の技術で、作った側から教えてもらえば別であるが、独
    自にそれを破るやり方は現実的ではない。
    仮にそれが何らかの形で出来たとしても、それを独自に開発して皆にば
    らまくのでなければ問題はない。
    コピーを外したものを配ると問題であるが、そこまでは考えていない
    はずなので、法的なものというよりは技術的な面が大きな課題になると
    思う。



    ●担当医所見●     ラリ   先生

    この問題における論点をまとめますと以下の通りです。

    著作権法30条1項「私的使用のための複製」容認において、同項2号にお
    ける除外規定「技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変」
    にはDVDビデオ暗号解読技術」が含まれるのでしょうか。

    「○ 合法とする解釈」
    文言を厳密に解釈すれば、暗号解読は「信号の除去又は改変」ではない
    から含まれていません。よって合法です。

    「× 違法とする解釈」
    「信号の除去又は改変」にはコピーを防止するあらゆる技術的手段を含
    むと解釈するのが立法の趣旨です。よって違法。

    「結論」
    裁判で争った例もないので司法がどちらの立場を取るかはやってみない
    とわからないため決着つかず今日までいたる。
     商業ベースで成り立つマスコミや評論家は正面切って「合法」とは誰も
    言いたがらないので「"違法"とするのが無難です。」という立場で多数
    派です。

    ※不正競争防止法2条1項11号には「他人が特定の者以外の者に映像若し
      くは音の視聴(中略)をさせないために営業上用いている技術的制限
      手段により制限されている映像若しくは音の視聴(中略)を当該技術
      的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能のみを有するプ
    ログラム(カッコ内省略)」とはっきり規定されているが、個人対象で
    ないために適用外です。著作権法もこのくらい明確に書いてあればはっ
    きり「違法です。」といえましたが、特に問題もないからなのか、改正
    の動きもなく、ほったらかしです。



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