案件名 2008/02/29 配信
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塩化カリウムを静脈注射しての自殺について
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患者名 ハンドルなし 担当医 yuki 先生 ぶりんだ 先生
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●患者問診より●
こんにちは、いつも的確なアドバイスをありがとうございます。
私は事業に失敗し、また種々の事情があり、自殺を考えております。
塩化カリウムを静脈注射するつもりで、実際に準備もしてあります。
そこでご相談です。
残された者の気持ちのことも考え、自殺ということをバレないようにし
たいのです。
死んでからの混乱は予想されますが、私は自己破産した身で、家族に隠
した借金もありませんので、遺書も書くつもりはありません。
家族が食っていけるだけの仕事も残すことが出来ましたし、充分な生命
保険にも加入しています。(4年以上前に加入しました。自殺免責期間は
クリアしています)
また蛇足ながら、先日めでたく年金加入期間25年もクリアしました。
さて、塩化カリウムを静脈注射してから死に至るまでの時間はどの程度
なのでしょうか。
即死ではないことは知っていますが、10分から30分程度活動出来るなら、
自殺の証拠隠滅を図ることが出来ると思います。
また、その間は苦しむことはないのでしょうか。
徐々に眠くなっていき、昏睡状態から心停止して死に至るというのは間
違いでしょうか。
だとすれば「突然死」として心不全の診断が下るような気がします。
実際、私は糖尿を患っており、かなりのメタボ体型ですので「心臓に負
荷が掛かっての死亡」ということは誰もが納得すると思います。
また、新たに生命保険に加入することは可能でしょうか。
「怪しまれる」→「解剖」→「カリウム濃度の異常」→「自殺」→「新
規保険の支払拒否」
ということは避けたいのです。
前提としている「塩化カリウムの静脈注射」による死体が、一目見て死
因特定出来てしまう状況では、家族に何も告げず自殺する意味はないの
ですが。
質問の要旨は次の通りです。
・塩化カリウムを静脈注射しての自死は苦痛を伴うのか。
・摂取してから活動困難になるまでの時間はどれくらいなのか。
・生命保険への新規加入は可能なのか。
・可能ならば、加入から自殺までどの程度の期間を見込んだ方が良いか。
・解剖や血液検査をされない限り、通常の検死では自殺という認定は困
難か。
皆様のお知恵を拝借して、憂いなく人生に幕を引きたいのです。
何卒、お知恵をお貸しください。
●担当医所見● yuki 先生
わかる部分だけお答えします。
>塩化カリウムを静脈注射しての自死は苦痛を伴うのか。
アメリカのオクラホマ州では、囚人の死刑執行に塩化カリウム注射が行
われています。通常、3種類の薬剤を静脈注射します。
1.麻酔剤(チオペンタールナトリウム)で睡眠、意識を失わせます。
2.筋弛緩剤(臭化パンクロニウム)で麻痺、肺機能が停止させます。
3.塩化カリウム溶液で心拍停止、心臓を止めます。
他にも、塩化カリウム注射は、保健所の動物達の処理にも使われたりし
ます。
また、末期ガンの患者を尊厳死させる為に医師が塩化カリウム注射を行
って患者を殺害した「東海大学安楽死事件(1991年)」でも使われまし
た。
塩化カリウムを使った死は「安楽死」と言われますので、苦痛は比較的
少ないのかもしれません。
ですが、反対にひどい苦痛を伴うという話も聞きます。
またどれも、塩化カリウム注射「だけ」が使われたわけではありません。
アメリカの死刑執行で分かるように「1」と「2」の工程があって「3」を
行うわけで、「3」だけで、果たして「安楽死=苦痛を伴わない」かどう
かは不明です。
>摂取してから活動困難になるまでの時間はどれくらいなのか。
心臓を停止させ心不全の状態にさせるための薬として、死刑で使われて
いるくらいです。
注射してから何かをするのは困難だと思います。
また、アメリカのオクラホマ州での死刑執行を伝えるニュースでは「塩
化カリウム水溶液が静脈注射されて間もなく心停止した」と報道されて
いますので、注射してからほんの短い時間で死亡するのでしょう。
>加入から自殺までどの程度の期間を見込んだ方が良いか。
生命保険各社は、自社の保険約款で自殺免責期間を定めています。
自殺免責期間とは「所定の免責期間内の被保険者の自殺は、保険金の支
払対象にならない」というものです。これにより、免責期間中に自殺を
しても、保険金は支払われません。
死ぬ前に免責期間の確認をしておきましょう。
1999年頃までは1年でしたが、2000年からは各社相次いで2年に延長しま
した。
さらに2005年以降、2年から3年に免責期間を延長している保険会社が増
えています。
ですが、中には免責期間経過後でも、保険金の支払いをしないという取
扱いも見られます。
商法上は「自殺の場合は、期限なく保険会社に保険金支払義務はない」
と定められていますので、免責期間後に自殺しても、必ず保険金が支払
われるわけではありません。
●担当医所見● ぶりんだ 先生
>徐々に眠くなっていき、昏睡状態から心停止して死に至るというのは間
>違いでしょうか。
これは違うと思われます。
ジャックキヴォーキアン氏の自殺マシンも「チオペンタール」で意識を
失わせてから、塩化カリウムと筋弛緩剤で安楽死させるというものです。
チオペンタール
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AB
また、注射の経験がない素人が一発で血管にばっちり注射出来るかどう
かが疑問です。
点滴漏れがあれば腫れてしまいます。
確実に死ぬには、注射を適切に出来るプロと、意識を失わせる麻酔薬が
必要です。
事故死に見せかけるには現実的ではないと思われます。
「苦痛なく」「病死にみせかける」というのはなかなかハードルが高い
です。
この条件にこだわると死ねなくなってしまいます。
自分でふぐを釣ってさばいて食べたり、山中に生えているドクツルタケ
を食べたりする方が自殺っぽくないでしょう。
中毒なので安楽死ではないでしょうが。
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