案件名 2008/06/06 配信
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退職意思表明後の賞与50%カットは妥当なのか
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患者名 HaR 担当医 ぶりんだ 先生
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●患者問診より●
いつも楽しみに拝見させていただいております。
【現在の具体的な状況】
私の勤めている会社では、賞与支給時に退職の予定が決まっていると、
否応なしで賞与が50%カットされてしまう、という不文律があります。
社員に配られる就業規則には当然そのようなルールは書いておらず、退
職することが決まってからこのルールについて知る人も多いようです。
当社では、退職をする際には大まかに下記のような流れになっています。
「社員から退職の意思表示→退職願提出→会社が決裁→退職確定」
社員の退職に対して会社が決裁を行うというのもおかしな話ですが、こ
れは本題ではないので置いておきます。
この決裁が降りてから退職日までの間に賞与支給日が挟まれていると、
そのときにもらえる賞与が、自動的に半分になってしまうらしいです。
【抱えてる問題/困っている事】
自分が退職するときに賞与が半分も減らされてしまうのは理不尽で我慢
なりません。
そこで、きちんと法と照らし合わせた上で現行の会社の制度を改めさせ
たいと思っています。
【何を聞きたいのか】
私の素人考えでは、賞与でも「労基法上の給与」とみなせるので、カッ
トするには理由がいるのではないかと思っております。
「退職する」ということは、この賞与カットという私刑じみた「減給」
の理由になるのでしょうか。
またカットの比率というのは労基法上の「減給の上限」と照らし合わせ
て妥当なのでしょうか。
もし会社の賞与カットという行為が正当でない場合、退職後にカットさ
れた差額を取り戻すには、どのような手続きをすれば良いのでしょうか。
また既に過去やめた人でも、カットされた差額分を取り返すことは可能
なのでしょうか。
以上よろしくお願いいたします。
●担当医所見● ぶりんだ 先生
>「退職する」ということは、この賞与カットという私刑じみた「減給」
>の理由になるのでしょうか。
ボーナスというのは「実績+将来性」で支給されるものです。
退職するということは将来性において「0」もしくはマイナス評価となり
ますので、ある程度は減額の理由になります。
また50%という割合が違法かどうかについてですが、以前、退職の予定
がない人の賞与が100とすると、17しか貰えなかった退職予定者が裁判に
訴えた事件があります。
ベネッセコーポレーション事件(東京地判平8.6.28)です。
この事件の判決は下記のようになりました。
「退職予定がある場合など、将来に対する期待の程度の差に応じて、退
職予定者と非退職予定者の賞与額に差を設けること自体は不合理ではな
い(略)労働者に対する将来の期待部分の範囲割合については、諸事情
を勘案して判断すると、賞与額の2割を減額することが相当であるとして
います」
http://www.ibarakiroudoukyoku.go.jp/soumu/qa/chingin/chingin07.html
退職予定者に渡す賞与は2割までカット可という判決です。
>退職後にカットされた差額を取り戻すには、どのような手続きをすれば
>良いのでしょうか。
労働局に相談し、裁判を起こすことでしょう。
賞与半額が違法かどうかは裁判になってみないとわかりません。
ただ前述の裁判で、賞与の内訳が「実績8割、期待2割」と認められまし
た。
HaR様の会社は5割カットされるわけですから、裁判に訴え違法性が認め
られれば、その差3割を取り返せる可能性はあります。
>また既に過去やめた人でも、カットされた差額分を取り返すことは可能
>なのでしょうか。
こちらも裁判になるので何ともいえませんね。
ちなみに逆に賞与を満額もらった後に退職し、会社が「賞与を返還しろ」
等と言ってきた場合についてですが、退職は不法行為でもなく、会社に
損害を与えたわけでもないので、たとえ会社が裁判に訴えたとしても認
められないでしょう。
民法には「契約期間内の退職に伴う損害賠償」が定められますが、これ
は労働者に過失があった場合において認められます。
また退職と会社の損害の関係を立証するのは原告(会社)になり、現実
的ではありません。
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