勿論、本当の偽札を造るなどという愚かな事はしません。
本当の偽札づくりは手間がかかり、芸術的な技術を要する犯罪である割
に、リスクが大きく儲かることはほとんどありません。
ではどうするのか。
まず、本物の1万円紙幣を2枚用意し、薄く切って互いの表と表を張り合
わせます。すると、両側表ですが厚さは普通の1万円紙幣と同じお札が出
来あがります。当然ですね。
さて、世の中には欲の皮のつっぱった人がたくさんいます。犯罪まがい
のことしてでもお金が欲しい、だけど自分の手は汚したくないし、リス
クを背負うのもごめんだ、という人がごろごろいます。
そういった人を見つけるには、また様々な手段を必要とするのですが、
ここではそれについての話は省き、欲の皮の突っ張ったおやじを見つけ
たと仮定して話を進めます。そのおやじにうまく取り入り、上で作った
お札を見せるのです。
「このお札、どうだい。俺達のグループがつくった偽札なんだけど、見
てくれよ。両側表になっちまってるだろ。これは失敗作」
「だけどその点を除いたら、本物のお札同然じゃないか。すごいなあ。」
「ああ。次はちゃんとしたのを造るつもりだ」
「できたら成功策をワシにも分けてくれないか」
と、欲の皮突っ張りまくってるおやじ。ここまで言わせたらもうこっち
のもの。
「もちろんいいが、実は資金がもう底をついてしまって。原盤を造る金
がもうないんだ。悪いが、50万ほど投資してくれないか。もちろん紙幣
ができたら5000万くらいは軽くやるぜ」
だいぶ端折りましたがこんな具合で話を進め、おやじから金を分捕りま
す。そして、その後は当然、資金不足の名目で少しづつ金を奪っていく
くのです。
おやじの側としても、一度乗りかけた船、途中で投資を止めたら今まで
の金が水の泡と、どんどんドツボにはまっていくことでしょう。
そしておやじが金を出すのをしぶりはじめてきたらドロンします。
またおやじが怪しんだ場合、警察に登場してもらわなくてはなりません。
もっとも、あなたの友人が演じる偽刑事ですが。
「最近、ここらで偽札を発見されたんだが、あんた何か知ってることは
ないか。」と、偽警官。
「わ、私は何にも知りませんが」とおやじ。
これでびびったおやじはあなたが警察に捕まるものと思い、後はただひ
たすら自分も芋蔓方式で捕まることのないように祈るだけでしょう。
もうあなたを探すことは絶対にありません。
上記の話は完全な詐欺罪ですが、最初に偽札もどきを見せたときにおや
じの反応が良くなければ、タネをばらし冗談ですませられるため、偽札
を本当に造ることに比べれば、限りなく少ないリスクですみます。
1997/02/10 配信
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